プルーストのカレー。
今、仕事で寮に住んでいて、食事も出してくれる。
今日の夕飯は「お昼のあまりで良かったら」とカレーライスを食べることに。
いわゆる、Theカレーライス。
何の変哲もない、普通のカレーライス。
しかし、そういうオーソドックスさが好きだったりする。
1口、口に運ぶと、色々忘れていた祖母の記憶が浮かび上がってくる。
かの作家、プルーストは「失われた時を求めて」という作品の中で主人公が紅茶にマドレーヌを浸して食べた所、子供の時の記憶が蘇った、というところからプルースト効果、と呼ばれているが、今回は寮の食堂で食べたカレーが、そうだったというワケである。
祖母(時々、祖父)が作るカレーは甘口で、2日目に食べるとものすごくもったりした口当たりだったのを覚えている。
多分だが、作る時に小麦粉とかを入れてとろみをつけていたのだろうと推測する。
だから、2日目の鍋をのぞくと冷たいぼったりとしたカレーがいる。
ただ、子供の自分はあまりそれが好きじゃなかった。
でも、もうそのカレーを食べなくなって(食べれなくなって)かなり経つが、やっぱり記憶にはちゃんと刻まれているんだな、と。
写真は、その祖父母の家で作った卵焼き(2013)。
選ぶ道は、だいたい迷い道。
ひとつ曲がり角、ひとつ間違えて…。
いや、いくつ曲がり角を間違えたのか分からないが。
今はとにかく迷いながら内省の時間かもしれない。
しかし、そうゆっくりとじっくりと内省しているわけにもいかず。
次へジャンプしていくためにも動かねばならないし、好評だった現代俳句×料理のイベントのことも考えなくてはいけなくて。
ふと思えば、去年の今頃は静岡にいて。
富士山のふもとで富士山に感動しながら豚肉の美味さにもまた感動。
やっぱり、色んな場所を見たいんだろうな。
そのためには、内省したり、反省したり、模索したり。
とにかく、足踏みすれど立ち止まるな、なんだろうな。
この10分くらい、の話。
雨がゆっくりと、しとしと、と。
誰もいない高原の森の中に降り続いている。
雨に紛れて蝉の鳴き声もしてきたから、テレビを消して聴き入る。
雨が降る速度に合わせて、耳の感覚も比例して鋭くなっていくような気がする。
ちりん、ちりん。
誰かが歩いている。
熊よけの鈴。
生い茂る木立の隙間から、夜が来るのを告げられた。
土曜日が、終わる。
着飾るな、君はあるがままでいてくれ。
【チャーハンは着飾るな。】
食堂で、メニューの隅にあるチャーハンを注文する。
出てきたのは、レット・イット・ビーなチャーハン。
あるがままのチャーハン。
言うなれば、遊びに行った友達のお母さんがお昼食べてく?と作ってくれたようなチャーハン。
決して、土曜の昼間に父親がメシ食うか?と背中越しに問いかけてくる言葉のアンサーとしての雑な焼き飯では無い。
そんな優しさが空腹には染み渡る。
もちろん、親父の焼き飯も、その無骨な感じがまた愛おしかったりするのだが。
ようこそ、めしを作って食べるだけの友の会へ。
はじめまして、めしつくるひと、と申します。
料理好きが高じて、ひたすらに誰かの家やどこかのお店の厨房でしれっとめしを作り続けているひとです。
とはいえ、肩書きとしては料理人、というのが分かりやすいでしょうか。
しかし、料理人や料理研究家、なんて大それた肩書きはつけたくないので「めしつくるひと」と名乗るようにしています。
めしつくるひと、とは?
読んで字のごとく、そのまま「ご飯を作る人」のこと。
ですから、普段から台所に立って料理をする人は総じて「めしつくるひと」なんです。
もちろん仕事でやっていようが、男女や年齢関係なくフラットに「めしつくるひと」だと自分は考えています。
めしつくるひとが大事にすること。
それは、ほとんどの食材や調味料は家の近くのスーパーやコンビニで買えるモノであること。
今は食材にしても調味料、お米や水、口にするものは何でも帰るし、値段も気にしなければいくらでも高いものが買えます。
しかし、そんなに毎日食べるものに対してお金に糸目をつけずに食べられるほどではありませんので、いかに手頃で手に入りやすい食材(冷蔵庫のネクストバッターズサークルにいるような)で美味いものが作れたら最高じゃないか!そうめしつくるひととしては思うのです。
ですから、イベントなりケータリングをする時の食材調達はスーパーをハシゴしまくり、いかに安く買うか、を念頭に置いています。
めしつくるひと友の会、とは?
さて、ブログのタイトルの話を。
めしつくるひと、についてはめちゃくちゃもったいぶって話しましたが、要は同じ目線で色んな人と美味いものや食材などの情報交換や共有が出来たら嬉しいなと思って勝手に発足したコミュニティです。
もちろん、会員カードやルールも何も無いので、「友の会会員です!」と名乗れば、それでメンバー入りできるという自由なコミュニティです。
ただ、〇〇のトマトが美味い、〇〇でとれる魚はあまりまだ知られていない!など、あなたが知っているローカル(どローカルな)食べ物を知りたいのです。
知って、作って、食べて。
とにかく、これに尽きます。
作ったものを振る舞い、食べた人が腹いっぱいになり、幸せを感じてくれたら良いなと。
とりあえず、長くなりましたが、めしつくるひとはこんな感じでひとりでやっています、というお話でした。
次回からはイベントの話とかをしようかと。
ごちそうさまでした。